目次
なぜ製造業の求人に応募が来ないのか?
製造業の求人に応募が来ない背景
- 求人倍率が高く、競争が激しい
- 若者の製造業離れ
- Indeedの活用方法が間違っている
まずは、現在の採用市場の状況と、製造業で応募が集まりにくい背景について確認しておきましょう。
求人倍率が高く、競争が激しい
応募が集まらない理由のひとつに、製造業全体の「求人倍率の高さ」があります。厚生労働省のデータによると、2025年5月時点の有効求人倍率は1.49倍と、全産業の平均を上回っています。さらに「機械整備・修理従事者」に限ると、求人倍率は3.95倍にのぼり、特に高い水準です。
これは、求職者1人に対して複数の求人が存在する状態であり、企業間で人材の確保をめぐる競争が激しくなっていることを示しています。
若者の製造業離れ
若年就業者(34歳以下)数の推移

(出典:経済産業省 2025年版ものづくり白書)
少子高齢化の影響で、若者の就業者の割合は減り続けています。もちろん製造業も例外ではありません。
経済産業省の「2025年版ものづくり白書」によると、2002年から2024年にかけて、製造業における34歳以下の就業者数は125万人減少し、全体に占める割合も31.4%から24.8%へと6.6ポイント低下しています。
2002年 | 2024年 | 差 | |
---|---|---|---|
34歳以下の就業者数(製造業) | 384万人 | 259万人 | -125万人 |
34歳以下の割合(製造業) | 31.4% | 24.8% | -6.6% |
(参考:経済産業省 2025年版ものづくり白書)
このような減少は、単なる人口構造の変化だけが理由ではありません。若年層における「製造業へのネガティブなイメージ」も、大きな要因となっています。
製造業のネガティブイメージ
- 給料が安い
- 3K(きつい・汚い・危険)
- 「給料が安い」という先入観:
製造業の給与水準については誤解も多くあります。たとえば国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、全体の平均給与が約460万円に対し、製造業は約533万円と、実際には平均を上回っています。(参考:国税庁)
ただし、製造業は学歴・経験不問で応募可能な職種も多く、企業規模や職種によって給与にばらつきがあるのも事実です。そのため「高収入を得にくい業種」という印象が残ってしまっている可能性があります。 - 3K(きつい、汚い、危険)のイメージ:
かつての製造業に根強くあった「3K」のイメージも、若者の敬遠につながっています。現代では安全管理や労働環境の改善に取り組む企業も増えていますが、長時間労働や重労働といったマイナスの印象が払拭しきれていないのが現状です。
Indeedの活用方法が間違っている
採用活動で、Indeedを利用している採用担当者の方も多いでしょう。Indeedは世界最大級の求人検索エンジンであり求職者数も圧倒的に多く、比較的費用対効果も高いため、採用効果を高めるためには活用しない手はありません。
Indeedが活用しきれていない例
- 求人票の内容が魅力的でない
- そもそも求人が見られていない
- 求人票の内容が魅力的でない:
求人情報の内容が乏しく、自社の魅力や仕事内容が求職者に伝わっていないケースが多く見られます。求人票は、企業の顔であり、求職者への最初のメッセージです。自社の魅力を最大限にアピールする必要があります。 - そもそも求人が見られていない:
Indeedでは、多くの求人情報が掲載されているため、自社の求人が埋もれてしまい、求職者の目に触れない可能性があります。検索エンジンの仕組みを理解し、効果的なキーワード設定やIndeedの有料機能を活用することで、求人の露出度を高めることが重要です。
なぜ製造業の人材はすぐ辞めてしまうのか?
製造業人材 離職の背景
- 給与への不満
- 人間関係が難しい
- スキルアップができない
- 会社の将来性に不安を感じている
「採用しても、すぐに退職してしまう」という課題は、多くの製造業で共通しています。人材不足をさらに深刻化させないためには、まずは離職の背景にある要因を把握し、適切な対応を進めることが重要です。
給料への不満
離職理由の中でも、特に多く挙げられるのが「給与への不満」です。先述の通り、製造業には“給料が安い”というイメージが根強く残っており、実際に現場で働く従業員のモチベーションにも影響しています。
【製造業】転職希望者の希望年収

一方で、フォスターが行った調査によれば、製造業に従事する20代の希望年収は「300万円~350万円」が最も多く、全体の25%を占めています。さらに、「300万円~500万円」の範囲に希望年収が集中しており、全体の約65%にのぼります。これは、若年層の多くが給与に対して現実的な期待を持っていることを示しています。
そのため、給与水準の見直しにおいては、地域や同業他社の条件と比較し、自社の給与体系が極端に見劣りしていないかを確認することがポイントです。無理に高水準に引き上げる必要はありませんが、相場との乖離がある場合には、早期離職の要因となる可能性が高いため、対策が求められます。
人間関係が難しい

製造業の現場では、年齢層・出身地・学歴・職歴など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が共に働いています。多様性は職場の強みでもありますが、一方で、価値観の違いやコミュニケーションのすれ違いが原因で、人間関係に摩擦が生じることも少なくありません。
特に工場勤務の場合、業務が比較的単調で、外部との接点が少ないため、同じメンバーと長時間接することになります。こうした閉鎖的な環境では、人間関係のストレスが蓄積しやすく、それが離職につながるケースも見受けられます。
ただし、人間関係に起因するトラブルは、業種を問わずどの職場でも起こりうる問題です。重要なのは、それを未然に防ぎやすい職場環境を整えておくことです。
たとえば、
- 作業負担の偏りによる不満が出ないよう、適切な人員配置を行う
- 設備や作業環境への投資を惜しまず、余計なストレス要因を減らす
- 上司と部下の間で日常的に相談や報告がしやすい関係性を築く
- 過度な残業や休日出勤を強いない労務管理を徹底する
といった対策が、人間関係に起因する離職リスクを抑えるうえで有効です。職場の風通しや働きやすさは、目には見えにくいものですが、定着率に直結する重要な要素といえるでしょう。
スキルアップができない
製造業では、業務の性質上、ルーティンワークが中心となる職場も多く見られます。そのため、従業員が「成長実感を得られない」「将来に役立つスキルが身につかない」と感じてしまうケースがあります。特に20〜30代の若年層にとっては、「自身の市場価値を高めたい」という成長意欲が強く、スキルアップの機会が少ない環境では、将来への不安から離職につながることもあります。
こうした課題を解消するためには、以下のようなスキル支援施策が有効です。
- 業務に関連する資格取得支援制度の導入
- 外部講師による技術研修・勉強会の実施
- 部署を越えたジョブローテーションの機会提供
「他社でも通用するスキルが身につく」という環境は、離職を防ぐどころか、むしろ“この会社で働き続けたい”という意欲を高める要素になります。教育や成長支援はコストではなく、長期的な定着率やモチベーション向上につながる“投資”と捉えるべきでしょう。
会社の将来性に不安を感じている
給与や人間関係と並んで、離職理由として見落とせないのが「会社の将来性に対する不安」です。
実際、フォスターが製造業に勤務する20代を対象に行った調査では、「職場への不満点」として2番目に多かったのが、「会社の将来性や経営方針に不安を感じている」という回答でした(1位は給与面)。
近年、製造業を取り巻く環境は急速に変化しています。グローバル競争の激化や技術革新のスピード向上、省人化・自動化の加速など、事業継続のハードルが年々上がっていることも、従業員にとっては不安要因になり得ます。
こうした不安を払拭するためには、企業としての「中長期的な展望」を丁寧に伝える姿勢が重要です。たとえば、
- 新しい生産管理システムの導入
- 先端技術の活用による業務効率化
- 海外拠点の拡大や輸出体制の強化
- 地域や業界内での安定した実績
といった具体的な取り組みを、社内外へ積極的に発信していくことが求められます。
「この会社なら将来も安心して働ける」と感じてもらえることが、既存社員の定着、そして新たな人材の採用成功にもつながっていきます。
Indeedで応募者を増やす施策を紹介
Indeedで応募者を増やす施策
- 若者に響く求人情報作成
- 募集条件の見直し
- 求人が目に留まる工夫
これまで、製造業の採用において「応募が集まらない」「人材が定着しにくい」といった課題について触れてきました。この章では、それらを踏まえたうえで、Indeedを効果的に活用し、応募者を増やすための具体的な施策をご紹介します。
若者に響く求人情報の作り方

Indeedの求人情報において、自社の魅力をアピールできる部分は主に以下の項目です。
・タイトル(職種名)
・キャッチコピー
・募集要項(仕事内容、休日、待遇など)
・写真やビジュアル
この中で、特に意識したいのが「若者が重視するポイント」をしっかり反映させることです。たとえば、将来性・安定性・成長機会などの観点は、志望動機や定着率に大きく影響します。
▶ 安定性や将来性をアピールする表現例:
- 「当社は〇〇分野でトップクラスのシェアを誇る成長企業です。今後も〇〇事業に注力し、さらなる拡大を見込んでいます。」
- 「創業〇〇年の安定企業として、〇〇業界で実績を重ねてきました。時代の変化に対応しながら、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいます。」
【 タイトル例 】
- 「〇〇部品の組立・検査スタッフ【上場企業】」
- 「定着率9割強〇〇メーカーの品質管理スタッフ」
▶ 人材育成をアピールする表現例:
- 「社員一人ひとりの成長を支援する教育体制を整えています。入社後はOJTでの丁寧な指導があり、未経験の方でも安心してスタートできます。」
- 「階層別研修・専門スキル研修・資格取得支援制度など、キャリア形成を支える制度も充実。ジョブローテーションや社内公募制度を通じて、自身の希望に沿ったキャリアアップも可能です。」
【 タイトル例 】
- 「〇〇加工スタッフ/正社員登用あり」
- 「未経験OK!教育充実の製造スタッフ」
また、職場の雰囲気や作業環境を伝える写真も重要な要素です。文章だけでは伝わらない安心感や清潔さ、設備の充実度などを、視覚的に補完できます。
クリック率を高める求人作成のコツは、こちらのコラムでも解説しています。

Indeed(インディード)で応募数を増やす! クリック率を上げるコツ
募集条件を見直すべきポイント
魅力的な求人情報を作成するうえで、「募集条件」は非常に重要です。求職者はまず条件面を確認するため、他社と比較されやすいポイントになります。主な見直しポイントは以下の通りです:
■ 給与水準
- 地域や同業他社の水準を調査し、見劣りしない条件を設定することが望ましいです。
■ 福利厚生
- 社宅・住宅手当、育児・介護支援、カウンセリングサービスなどは、安心して働ける環境を整えるうえで重要です。特にメンタルケアは、人間関係のトラブル抑止にも効果があります。
■ 柔軟な働き方
- フレックスタイム制度、リフレッシュ休暇制度、時短勤務など、柔軟な働き方を導入することで、幅広い層の応募を得やすくなります。
■ 応募条件
- 条件が厳しすぎると、応募の母数が減少します。「必須スキル」と「歓迎スキル」を分けて記載することで、エントリーのハードルを下げる工夫が有効です。
応募率を高めるための具体的な工夫は、こちらのコラムでもご紹介しています。

Indeed初心者でもOK! 応募率アップの秘訣
自社の求人を見つけてもらうには?
Indeedは利用者数が多い一方で、求人情報が埋もれやすいという課題があります。求職者の目に留まる工夫が必要です。
■ 求人を見つけてもらうための基本ポイント:
- キーワード選定:求職者が実際に検索しそうな職種名や業種名を、タイトルや本文に盛り込みましょう。
- 定期的な更新:内容の一部を変更するだけでも「新着求人」として再表示されやすくなります。
- 有料オプションの活用:クリック単価制のスポンサー求人を活用することで、より多くの求職者の目に留まる可能性が高まります。
Indeedで検索上位に表示させる方法は、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

Indeed(インディード)で求人を上位表示させるテクニックとは?【採用担当者必見!】
まとめ
製造業における人手不足の解消には、求人の出し方だけでなく、職場環境や働き方の見直しも含めた総合的な対策が必要です。
特にIndeedのような求人媒体を効果的に活用することで、若年層をはじめとしたターゲット人材に情報を届けやすくなります。応募につながる求人票を作成するには、求職者が重視するポイント(給与・将来性・スキルアップ・職場環境など)を丁寧に反映させることが鍵です。
また、応募者が入社後に定着しやすいよう、人間関係や育成制度などの職場環境を整えることも重要です。
「求人を出しても応募が来ない」「改善点が分からない」—そんな時はご相談ください。
フォスターでは、業種を問わず多数の企業様の採用支援を行ってきた実績があります。企業の魅力や課題を客観的に整理し、採用成功に向けた最適なご提案をいたします。
「どこを改善すればいいのか」「何が響くのか」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。貴社に合った採用戦略を一緒に考えてまいります。
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